「働き方完全無双」に見るひろゆき氏の地主思想

ひろゆき氏の著作って結構少なくて、最初はたしかホリエモンとの共著だと思うんだけど、ひろゆき氏単独の書籍って多分2冊しかないよね。ということで、多産で内容が薄くなってきている堀江本よりも、ひろゆき本の方が今は熱いのかなって。

先日紹介した堀江&落合の「10年後の仕事図鑑」と比較しても、ひろゆき本の方が相当ちゃんとした妥当な内容の本かと思う。

堀江さんは譲歩しないのね、例えば学校については「不要だから、ガラガラポンするしかない。」というのがホリエモンの考えで、「けど、学校は現在あるし、いきなり無くせないよね」という世論に対して一歩も譲歩しないのね。

一方、ひろゆき氏は現実的な落としどころを探って僕たちに提示してくれている気がする。ひろゆき氏は、意外と保守的な考えを持っている。例えば「貯金」は良いこととしており、自由になるための手段としている(仕事が辞めやすい、など)。むやみにお金を使わない節約思想もあり、日本人に馴染みやすい。

そして何より思ったのは、ひろゆき氏ってすごく「地主」的思考をしていること。経営者というよりも、投資家・資産家つまりは地主っぽい発想をしているなと。ビルマネジメントとかビルメンテナンスみたいな。

実はホリエモンと落合氏って労働者体質なのかなって。

ホリエモンってすごく努力家で、すごく仕事する人なんだよね。ホリエモンチャンネルとか、動画を毎日配信してるし、有料メルマガも毎週配信してて、ものすごい数の質問に回答してるわけ。めちゃくちゃ大変だよ。それのみならずホリエモン大学校も運営している。

落合氏もそう。頭も賢ければ労働時間もすごく長いし、スキマ時間に仕事する、すごい努力家なの。

一方、ひろゆき氏ってできるだけ仕事しないでどうやって収入を得て生きていくかっていう地主っぽい考えを持ってる。ここがすごく違うとこだね。

だから、これから沈みゆく日本をどうしたらいいかっていう提案もすごく地主っぽいのね。つまり、そのまま経済を停滞させて、観光地にして、海外からリッチな観光客に来てもらって、たくさんお金落としてもらおうよっていう考え。

ひろゆき氏って今何してるのかというと、

「未来検索ブラジル」という会社の業務と、「4chan」という匿名掲示板サイトの管理人業務をしている

 

そうな。具体的には、

動画の生放送などで大きなトラブルがあったときに技術的なアドバイスをしたり、FBIや裁判所から書類のサインを求められたときの法的な対応などを主にしている

 

そうな。また、

決算のときに資料を作って税理士の人に送ったりする

 

そうな。

ルーティンワークは他の人に投げて、そのルーティンワークがうまく回っている限り、僕はやることがない

 

んだそうな。この地味な感じ。彼自身、ウェブ上の地主・管理人なのだ。

多くの日本人労働者が持っていない地主思想をのぞき見るのに、本書は最適ではなかろうかと。