IT業界におけるシステム設計は主にマイクロソフトのオフィス製品を使って記述される。つまりは、ワードやエクセルやパワーポイントを使って記述される。
ここでまず問題が生じる。ワードであるかもしれないし、エクセルであるかもしれないし、パワポであるかもしれないのだ。
しかも、設計書の種類によってファイル形式が違ったりする。基本設計書の画面操作設計書はワード、画面設計書はパワポ、詳細設計書はエクセルでといった具合だ。
オフィス製品にはファイルのバージョン管理機能が備わっていない。また、GitやSubversionなどのバージョン管理システムを導入しても、差分が分かりずらい。人によってはエクセルの差分をうまく見つけるツールのようなものを知っているが、標準的ではないので、オフィス製品が標準で導入してくれない限りは、差分は分かりづらいということになる。
一方で、プログラム(ソースコード)の管理と、進捗管理はうまくウェブ化がされている。
ソースコードにおいては、ほぼ全てのシステム企業が、GitやSVNを導入しており、いつ、だれが、どのファイルをどのように変更したかが明確に記録され、容易に差分を見ることが出来る。
進捗管理においても、多くの企業がRubyのredmineのようなものを導入しており、開発の進捗や、バグの報告、修正などがウェブを通してやりとりされている。僕のイメージでは固い感じの会社はsvnとredmine、カジュアルな企業、先進的な企業はgithubとbacklogを使っている気がする。まぁどちらでもよい。svnもredmineも嫌いではない。
しかしなぜ、設計はウェブではなく、オフィス製品なのだろうか。
設計はヒューリスティックで反復的な行為だとしても、製造担当の僕としては、その変更具合を見れるようにしてほしい。設計者はバージョンが上がる度にファイル名の後ろに「ver1.1」などとするが、このバージョン上げは意味が分からない。
また、設計ファイルには変更履歴欄が設けられているが、これも適当で、空欄の場合もあれば、記載されている場合もあるが、記載されていない変更もある。
また、設計者は変更箇所の文字を赤にしたり水色にしたりするが、これも色付けを忘れることもあるだろう。
設計書がオフィス製品で作られる理由としては、お客さんに提示するのが大きいだろう。そしてお客さんがレガシーな人だからかもしれない。しかし、やはり設計書をオフィス製品で作成するのはよろしくない気がするよ。
誰かウェブ設計書作成システムを設計してください。
もちろんオフィス製品で。