ギターのライン録りの音痩せを解消すべく購入したのが「VOXのMV50 AC」。結構新製品みたい。ギター用の新真空管アンプヘッドである。定価は2万ちょい。オークションだと2万以下で買えるけど、わりかし新発売なのであまり出回ってはいない。
箱から開けてまず思うことは「ちっちゃ!!」ということ、本体はこんな感じ。
スマホで隠れそうなくらいの小ささ。前方をスマホで隠そうとしたら取っ手の部分以外は隠れた。
横からはこちら。
底にスマホを置いてみた。ほぼスマホサイズと思っていただければと。
さすがにフリスクでは隠れないけど、本体の小ささがお分かりいただけるだろう。
まずは前方から見てみよう。
前方には左から「GAIN」「TONE」「VOLUME」というツマミがある。真ん中やや右にはボリュームメーターのようなものがある。これは単に雰囲気を出したいがためで、特に役に立つものではなさそう。一番右側にあるのは「INPUT」つまりギターシールドをここに差すわけだな。
次に背面を見てみる。見た目はこんな感じ。
左から説明する。「PHONES / LINE」はヘッドフォンを差したり、ギターシールドを差したりする。ここから直接オーディオインターフェイスへ繋げることができるわけだ。これは実際スピーカーから音を鳴らして、マイク録りをせずに真空管アンプの音を録音できるので、非常に助かるはず。
「ECO」というスイッチはギターの音が鳴っていない時に省電力モードになってくれるらしい。あまり興味はない。弾いていない時はスイッチを切ればいいわけで。
「STAND BY」は電源のON/OFFだ。
「DC 19 V」には付属の電源を差そう。
「EQ」スイッチには「FLAT」と「DEEP」がある。実際に切り替えて音の違いを比べてみたが、全然違いが分からなかった・・。だからどっちでもいい。
「INPEDANCE」スイッチには「4ohms(=50W)」「8ohms(=25W)」「16ohms(=12.5W)」がある。これは一番右にある「SPEAKER OUTPUT」から繋ぐアンプのキャビネットの電力に応じて切り替えるらしい。今のところキャビネットに繋ぐ予定がないので、僕には関係ない。
商品の底には「MADE IN VIETNAM」と書いてある。ベトナム製だ。特に異論はない。
さて、肝心の音はいかほどのものか試してみる。
ギターはライン録りではパワーに欠ける友人に貰ったグレッチギター。
配線は以下。
「グレッチギター」 → 「VM50AC」 → 「オーディオインターフェース」 → 「パソコン」
非常にシンプルな感じだし、エフェクターとか持ってないので、これしかできない。まぁ本製品をレビューする上ではこれがベストかと。
ではVM50ACを繋いでいない音から。
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ではVM50ACを繋いでみる。ツマミはクリーンサウンドになるように以下の通り設定。
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ゲインのツマミを上げてみたクランチな音
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感想
エレキギターはギター+アンプがセットになって初めてエレキギターなんだと痛感。やっぱり弾いて出てくる音がガツーンと元気のいい音だと演奏に気持ちが籠る。直接ライン録りだと「ショボいけど、後でなんとかしよう・・」みたいなションボリした気持ちでプレイせざるを得ないのだ。
直接ヘッドホンを繋いで聞いてもビックリするほどアンプサウンド!このコンパクトさで、この骨太アンプサウンドがキャビネットなしで出てくるのはまるで魔法のようだ。
そしてこの「NUTUBE」という新真空管技術はすごいと思う。別に真空管アンプオタクではないけども、音量を大きくしたり、ゲインやトーンを上げたときの暖かい、優しい、懐かしいサウンドが出る。弾いてて全然飽きない。
歪み具合は思いっきり歪み過ぎているわけでもなく、かつクリーンなサウンドも出せる、ちょうど真ん中くらいのいい感じ。グレッチギターとこれを使うと、例えるならビートルズのような、Blanky Jet Cityのような音色が出る。ジュディマリの小さな頃からのイントロとかもいい感じ。つまりパワーコードというよりもコード弾きがいい感じである。
もっとゴリゴリのハードロックとかメタルのギターサウンドを表現するには「ROCK」の方を買うか、ディストーションなどのエフェクターを追加して歪ませる必要があるだろう。
また、エフェクターとの相性的にはこの「AC」よりも「CLEAN」の方がいいらしい。
個人的にはこの「AC」は気に入っている。というか、直接オーディオインターフェイスに差すよりも断然音が良い。今後使い倒すマストアイテムになるのは間違いない。
MV50にはクリーンサウンドの「CLEAN」、クランチサウンドの「AC」、ロックサウンドの「ROCK」の3製品がある。
さぁ、どれにする?